生活保護の受給額は、世帯の構成と住んでいる地域によって大きく異なります。このページでは、世帯別・地域別の受給額を比較し、加算制度や計算方法を詳しく解説します。

生活保護費の構成

生活保護で支給される金額は、8種類の扶助を組み合わせて計算されます。

  • 生活扶助 — 食費・衣服・光熱費など日常生活に必要な費用。年齢・世帯人数で決まる
  • 住宅扶助 — 家賃の実費(地域ごとの上限額あり)
  • 教育扶助 — 小中学校の学用品・教材費・給食費
  • 医療扶助 — 医療費の全額(自己負担ゼロ)
  • 介護扶助 — 介護保険サービスの自己負担分
  • 出産扶助 — 出産にかかる費用
  • 生業扶助 — 就労に必要な技能の習得費用、高校の就学費用
  • 葬祭扶助 — 葬儀にかかる費用

毎月の基本支給額は、生活扶助 + 住宅扶助の合計が中心です。医療扶助は医療機関への直接支払い(現物給付)のため、受給者の口座には振り込まれません。

級地制度とは

日本全国の市区町村は、物価や生活水準に応じて6つの級地に分類されています。級地によって生活扶助の基準額が異なります。

  • 1級地-1 — 東京23区、大阪市、横浜市、名古屋市など大都市。支給額が最も高い
  • 1級地-2 — 札幌市、仙台市、さいたま市、千葉市、神戸市などの政令指定都市
  • 2級地-1 — 中規模の都市
  • 2級地-2 — 小規模な市
  • 3級地-1 — 町村部
  • 3級地-2 — 最も物価の低い地域。支給額が最も低い

以下の比較表では、主要な級地区分ごとの受給額目安をまとめています。

世帯別の受給額比較表

以下は生活扶助 + 住宅扶助上限の合計目安です。実際の支給額は個別の状況により異なります。

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単身世帯

  • 単身 20〜40歳

1級地-1(東京23区):月額約13万円|1級地-2:約11.8万円|2級地:約10.5万円|3級地:約9.5万円

  • 単身 65歳以上

1級地-1(東京23区):月額約12万円|1級地-2:約10.8万円|2級地:約9.6万円|3級地:約8.7万円

夫婦世帯

  • 夫婦のみ(40代)

1級地-1:月額約18万円|1級地-2:約16.3万円|2級地:約14.8万円|3級地:約13.5万円

子育て世帯

  • 夫婦 + 子ども1人(小学生)

1級地-1:月額約23万円|1級地-2:約21万円|2級地:約19.2万円|3級地:約17.5万円

  • 母子世帯(子ども1人)

1級地-1:月額約19万円|1級地-2:約17.3万円|2級地:約15.8万円|3級地:約14.3万円

※ 生活扶助 + 住宅扶助上限の合計額。教育扶助・加算は含まれていません。実際の支給額は個別に計算されます。

加算制度

基本の生活扶助に加えて、特定の条件に該当する場合は加算が上乗せされます。

母子加算

ひとり親(母子・父子)世帯に加算されます。

  • 1級地:子ども1人の場合、月額約18,800円
  • 2級地:月額約17,400円
  • 3級地:月額約16,100円
  • 子ども2人目以降は1人あたり約2,300〜2,900円が追加

障害者加算

障害者手帳を持っている方に加算されます。

  • 身体障害者手帳1・2級(または国民年金1級) — 1級地:月額約26,810円
  • 身体障害者手帳3級以下(または国民年金2級) — 1級地:月額約17,870円

児童養育加算

18歳以下の子どもがいる世帯に加算されます。

  • 子ども1人あたり月額10,190円(3歳未満は15,000円

期末一時扶助

年末(12月)に1回支給される臨時の給付です。

  • 単身世帯:約14,000円
  • 2人世帯:約19,000円
  • 3人世帯:約23,000円

最低賃金との比較

生活保護の支給額と、最低賃金でフルタイム勤務した場合の手取り額を比較します。

東京23区(1級地-1)の単身世帯の場合

  • 生活保護:月額約13万円(生活扶助 + 住宅扶助) + 医療費全額免除
  • 最低賃金フルタイム:月額約16.5万円(手取り) − 家賃 − 医療費 − 各種保険料

最低賃金で働いた場合の手取り額の方が高く見えますが、そこから家賃(東京23区で5〜7万円)、医療費、国民健康保険料を差し引くと、実質的な生活費は生活保護と同程度になることがあります。

収入が最低生活費を下回る場合は、差額が生活保護として支給されます。つまり、働きながら生活保護を受けることも可能です。

地方(3級地)の単身世帯の場合

  • 生活保護:月額約9.5万円 + 医療費全額免除
  • 最低賃金フルタイム:月額約13万円(手取り) − 家賃 − 医療費 − 各種保険料

地方では家賃が安い分、手取りとの差は開きますが、医療費負担がゼロになる点は大きなメリットです。

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受給額の計算ポイント

正確な支給額を知るために

1. 級地を確認する

住んでいる市区町村の級地区分を確認します。厚生労働省のウェブサイトまたは福祉事務所で確認できます。同じ県内でも市町村によって級地が異なります。

2. 世帯全員の年齢を確認

生活扶助の基準額は年齢区分(0〜2歳、3〜5歳、6〜11歳、12〜17歳、18〜40歳、41〜59歳、60〜69歳、70歳以上)で異なります。世帯員の年齢ごとに基準額が設定されています。

3. 住宅扶助の上限を確認

住宅扶助は実際の家賃が支給されますが、地域・世帯人数ごとに上限があります。東京23区の単身で約53,700円、2人世帯で約64,000円が上限目安です。

4. 加算の有無を確認

母子加算、障害者加算、児童養育加算など、該当する加算がないか確認します。加算は複数重複して受けることが可能です。

5. 収入がある場合の計算

収入がある場合、最低生活費から収入を差し引いた差額が支給されます。勤労収入には「基礎控除」があり、収入の全額が差し引かれるわけではありません。

よくある質問

年金を受給していても生活保護は受けられますか?
はい。年金額が最低生活費を下回っていれば、差額が生活保護として支給されます。年金が少額の高齢者の方で、生活保護と年金を併用しているケースは少なくありません。

ボーナスは出ますか?
ボーナスという名目ではありませんが、期末一時扶助として年末(12月)に臨時の給付があります。金額は世帯人数によって約14,000〜23,000円です。

医療費は本当にかかりませんか?
はい。医療扶助により、病院での診察・治療・薬代・入院費の自己負担は原則ゼロです。福祉事務所から発行される「医療券」を医療機関に提示して受診します。歯科治療も対象です。

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